劇場版 … 公開日:1979年12月15日
とある国の国営カジノから大金を強奪してきたルパン達。 しかしそれらは全て、巧妙に作られたゴート札と呼ばれる偽札だった。
ゴート札の秘密を探るべくカリオストロ公国にやって来たルパンは、 怪しげな男達に追われる花嫁姿の少女と出会う。 介入したものの結局助けることは出来なかったが、手元に残された指輪を目にし、 ルパンは彼女が何者であるのかを知った……
久々に観ました。 ルパン作品としては個人的にちょいとアレなんだけど、一映画としてはやっぱり良く出来た作品だと思います。 思っています。思っていた、のです、が……
……あれ?( ̄□ ̄;)
久々に観ての感想。──カリ城ってこんなんだっけ?? 期待してたほどの「面白かった!」感が感じられませんでした。
私がこの作品を好きだった時、放送の度に喜んで観ていた子供の頃は、もっとハラハラドキドキワクワクしてた気がする。 何故だろう。子供の頃の純粋さを忘れ……いや、なんでもない(爆)
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たぶん、ルパンに感じてしまった違和感のせいなんでしょうねぇ…。
当然よく分かってたんですよ、宮崎ルパンが異質なことは。 でも、そんなこと承知の上で見るつもりだったにも関わらず、 実際久々に観賞してみると、どうにも目に付く「らしくなさ」。
クラリスのナイトに成り下がる(?)なとか、そーゆーことを言いたいんじゃない。 そもそも彼女はルパンの命の恩人なのだから、偽札よりもお宝よりも何よりも、 ついでに不二子ちゃんよりも、彼女の救出を最優先してもおかしくない(……と、思うようにしている/苦笑)
今回私が気になったのは、幾度も出て来た「物思いに耽るルパン」のシーンです。 ルパンだって、一人静かに過去に思いを馳せることはあるでしょう。 でもなんか……何と言ったらいいのか、カリ城ルパンは雰囲気が違うと思うんです。 表情とかじゃなく、全部をひっくるめた「雰囲気」。
凄く寂しげな眼差しで、(視聴者含めて)不用意に近付く者を拒絶するかのような、そんな感じ…。 どうにもルパンらしくなくって、見ていて何やらムズムズしちゃいます。 それもルパンの一面だと言われれば、その通りなのかもしれないけど(;^_^A

あと、不二子ちゃんとの関係もいただけないですね!あっさりし過ぎ!
作品設定年齢が上だろうが下だろうが、ヒロインが別女性だろうが、 ルパンと不二子ちゃんにはずっと(一方的な?)追いつ追われつの関係で居て欲しいです。 冗談でもいいから、不二子ちゃんが誘惑するとか、ルパンが迫るとか、そーゆーシーンを入れて欲しかったなぁ。
ちなみにクラリス嬢へ── 「恋人だったこともあった」と聞いたら、普通は円満に別れたか彼女がフッたと考えるぞ!?  不二子ちゃんじゃなくたって、自分からわざわざ「捨てられた」ことに触れる人間は居ないでしょ(笑)
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さて。当作品で特筆すべきなのは、やはりカリオストロ伯爵のことでしょう。
この余裕!この存在感! 敵のボス役はかくあるべきっ!!
よくあるのが、最初は余裕かましてルパンたちを侮った挙句に自滅するタイプのボスですが、 伯爵の確かな実力に裏付けされた余裕は、ある意味すがすがしいくらいです。
小国であろうとさすがは摂政を勤めた男、部下への指示は迷いなく的確(だと思う)だし、 統率の取れた部下の忠誠心を見るにカリスマ性もありそうだし、 剣を取って自ら闘うことが出来るし(しかも見た目に反してかなり身軽)、 自分を有利にする取り引き術に長けているし、相当頭良いんじゃないかな〜と思います。
しかも実際、何度かルパンを酷い目に遭わせたものの、伯爵自身はルパンに追い詰められたことはないんですよね。 最期のアレも、別にルパンのせいじゃないし。
こういう「強い」敵、滅多にいないですよねぇ…。 戦闘能力の高いボスも良いけど、個人的にはルパンと頭脳勝負出来るくらい頭のキレるボスの方が見てみたいんだけどな。 伯爵のように両方兼ね備えていれば尚良し! (……ここまで書いて思ったんだけど、ルパン自身の力で一度くらい伯爵を焦らせて欲しかったかも…)
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頭がキレると言えば、カリ城では銭さんも格好良いですね。
たまに銭さんの脳ミソが筋肉どころかスポンジな作品もあるけど、これはちゃんとICPOの有能な刑事って感じ。 ただあまりに顔色悪すぎて(黒過ぎて?)、出番の度に笑っちゃいました(^^ゞ

次元や五右ェ門については特別語ることはありません。
特に五右ェ門は出番少な過ぎて! でもまぁ、変人化するよりずっと良いけど(苦笑)
次元はそれなりに出番あるけど、やっぱりルパンに押されて目立ってない感じ。 良き相棒っぷりは存分に見せてくれましたけどね。

クラリスは……良いコなんだけど、ラストのセリフがなぁ…。 国も公女としての立場も何もかも捨ててルパンの元に行きたい(しかも泥棒として!)だなんて、 思っても口に出しちゃダメでしょ。
心許せる者がほとんど居ない絶望的な中で、ルパンが命懸けで救い出してくれたわけだから、 気持ちは分からないでもないですけどねー。
そうそう、終始「おじさま」呼ばわりってのもいただけないかな。 彼女の育ちの良さを表す言葉ではあるけれど、名前を知った以降は、 ちゃんと「ルパン様」と名前で呼んで欲しかったなぁ…。 彼女なりの親しみや好意の表し方なのかもしれませんが。
うん、まぁ、良いコなんですけどね(と、繰り返してみる/笑)

(掲載日:2010/10/23)

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