ナチスドイツの保養所から発見された、地獄如来像を狙うルパン。
眼前に立ちはだかるモルガーナは、風魔と呼ばれる忍者集団を従えて、
獲物を奪おうと襲撃してくる。
モルガーナを敵視する忍び・飛鳥も交えて、三つ巴の争いが繰り広げられる中、
モルガーナ一味の手によって銭形が殉死してしまった!!
風魔って、風魔って………………!!!!!
初めて情報見たときビックリしましたよ。
だって「風魔一族の陰謀」はもちろんのこと、TVシリーズでも使用済みのネタなのに、
それをまたわざわざ使う意味はなんなのだろう?と。
まぁ「風魔一族〜」とは全くの無関係だろうと端から分かっていたので、
あぁやっぱり関係なかったかぁ〜と思ったくらいで、別に落胆はしませんでしたけどね。
……えぇい! 誰が釣られてやるかぁっ!!(笑)
* * *
今回「銭さんの死」が描かれるってことで、ストーリーにはさほど期待してなかったけど(!)、
その「死にネタ」をどう処理するのかと言う点においては興味がありました。
事前に「銭さんが死ぬ」って宣伝したら、そりゃあ視聴者の注目は集まるでしょう。
でも、緊張感が高まるわけではないんですよ。
なにしろレギュラーの銭さんだからね。
視聴者の誰もが、死ぬわけないじゃん!って思ってるからね。
作中でどれだけ悲壮感を漂わせようと、タイトルが「ラストジョブ」だろうと、
銭さんが本当に死んだまま(しかも悪人に殺されるという刑事として情けない最期!)
で終わるわけないんです。
だからこそ、「死」以外のどこに緊張感を持っていくのかが気になっていました。
死んじゃったけど、絶対生きてるよね、ほぉら、やっぱり復活した!
……としか思われないのであれば、わざわざ「死なせる」意味がないですから。
──と思っていたのに、やっぱりその通りだったよ!!(爆)
銭さんったら冒頭で「死」んじゃうんだもの、本当は生きてるってバレバレじゃんかぁ…。
作中の人たちはそれなりに哀悼の意を示してるけど、
ルパンは(表面上は)非常にあっさりしてたし、
なによりストーリー上、銭さんを死なす意味が全くなかったのが非常に痛いです。
「巻き込みたくなかった」という飛鳥の気持ちは分かる。
でも、そんなら仮死に近い状態(眠ったまま起きない、とか)で充分でしょう。
わざわざ「殺した」上に埋葬までさせて、
しかも誰にも「銭さんが本当は生きている」ことを伝えていない。
結局銭さんは自力で墓穴から脱出したけど、フツー無理だよ!窒息するよ!!( ̄△ ̄)
銭さんの命が狙われているから、ってのならまだ分かるけど、
モルガーナは銭さんのことなんか歯牙にも掛けてなかったからね。
「銭形警部に追って来られたら困るから」という理由なら、上述の通り、
「死」なさなくとも動けない状態にするだけで充分だった筈だし。
つまり、どこからどう見ても、
「銭形警部死亡!?」というインパクトで視聴率を稼ぎたかったんだろ!
辻褄合わせは二の次かいっ!
としか思えなかったわけです…(実際その通りだろうけど:;)
* * *
……あぁ、前置きが長くなった(;^_^A
え〜とそれでは、全体的な感想を。
一言で言うと、「つまらなかった!!」──以上です(爆)
毎年、何とか1点2点は「良かったところ」を挙げようと努力してるんですけど、
今年は最初からそれは無理だと諦めました。
自分でも非常に不思議なくらい、全く心が動かされなかったんですよ。
ちょっとでも面白いと思ったシーン、格好良いと思ったシーンが、
一度も出て来なかった。
おかしいなぁ……いつも通り、「生温かい気持ち」で観てたはずなのになぁ〜(苦笑)
で、何故なのかと考えてみたんですけど、
今回ルパンって、画面に登場した時点で飛鳥ともモルガーナとも顔見知りなんですよね
(モルガーナの場合は顔を知ってただけかもしれないけど)
だからかな、初っ端から置いてけぼりを喰らった感じがして、
ストーリーに入り込めなかったのは。
…勿論、それだけじゃあないでしょうけど。
神楽坂飛鳥が忍者(風魔一族の末裔)って設定は良かったと思います。
アクションもこなせるゲストヒロインって貴重ですからね。
ただ、声がなぁ……。本職はICPOの捜査官とは言え、
表向きはTVリポーターだったのにあの喋り方(抑揚の付け方?)は駄目でしょ。
こんなリポーター居るかっ!と気になっちゃいました。
摩耶との関係はよく分からないです。……いや、分かるんだけど、
子供時代とかの回想シーンくらい入れて欲しかったな。
話の軸の一つである、彼女らの「絆」の強さがイマイチ伝わって来なかったので。
忍犬・虎太郎の声で風神が起動したのも拍子抜けと言うか…。
虎太郎は可愛かったですけどね。
でも人の尻噛み過ぎだよ。何度も何度もそんなシーンが出て来るから、
途中からうんざりしちゃいました。
あぁ、あの子猫たちも可愛かったな。
でもこれこそ、ストーリーには全く関係ないからなぁ(苦笑)
* * *
ルパンは虎太郎に尻噛まれ過ぎ!
特に、最大のピンチシーン(と思われる)風神の仕掛けに囚われた時の、
尻噛まれた痛さで罠から抜け出した!って展開には正直ガッカリです。
一体どう知恵を絞って脱出するのかと思いきや、ギャグオチだなんて…
(どーでもいいが、あの時のルパン、180度顔回ってるように見える/汗)
五右ェ門は……活躍シーンはそれなりにあるんだけど、
「つまらぬものを」云々の台詞が多過ぎて、あまり印象良くないなぁ。
次元も、また怪我したのかいっ!って感じだし。
不二子ちゃんはあんなもんかな。
でも、他人に取り入るなら、もうちょっと上手くやりなさいよーと思いました。
彼女の頭の良さ、狡猾さが感じられるような動かし方をして欲しい。
銭さんに関しては前述の通り。
きっとキャストの方を気遣った結果の死亡?退場だったんだろうけど、
どうせならその「死」を生かしたストーリーにして欲しかったです。
アクションシーンに関しては、よく動いてたけど、無駄な動きが多かった印象です。
まぁ問題は動きよりも、内容ですからね…。
ラストバトルの、それぞれが闘っているシーンの適当さと言ったら!!( ̄□ ̄;)
マシンガン乱射の軌跡はただの光線描写で、
そんな銃弾の嵐の中でルパンたちは焦りもしないし、当然全くかすりもしない。
五右ェ門は壁や乗り物などの大型物体を斬ってばかりだし(…てゆーか五右ェ門最強過ぎ)、
敵は雑魚ばかりで全く緊迫感がない。
せっかく敵の忍者集団を出したってのに、忍者らしい忍者は無力で無個性な下っ端ばかりで、
目の前に立ち塞がるのは元傭兵……って、オィ。
何故そこでまた「次元の顔見知り」を出すんだよ。ただの「強い忍者」でいいじゃんか!
無理矢理作った一対一のバトルより、
ルパンたちの華麗なるチームプレイが見たいのにぃぃ(><。)
そういや、ルパンが再三言ってた、
「目的は風神じゃない、他に仕事がある」ってのは何だったのでしょう?
まさか、銭さんの仇打ちとか…?
もしそうだとしても、さすがに説明不足かな〜。
近年のテレスぺは説明ゼリフが多過ぎて食傷気味だったけど、
飛鳥との出会いと言い、今回は逆に省き過ぎなんじゃないですかね…。
* * *
当日の新聞テレビ欄に載ってた紹介文 ↓
「史上最強!最悪!!忍者集団・風魔一族の陰謀にルパン危機一髪!!
伝説秘宝・地獄如来像に隠された秘密!?
そして今夜、銭形警部死す……衝撃ラスト」
「陰謀」ってわざと入れただろ!?(怒)……ってのは置いとくとして、
史上最強!最悪!! → どこが?
ルパン危機一髪 → どこが? むしろ余裕あり過ぎ。
銭形警部死す → 当然のように復活。
衝撃ラスト → 何のことか分からない。
……うん、当たってたのは地獄如来像に秘密があったって部分だけね。
そもそもタイトルの「the Last Job」が意味不明ですしね。
銭さん死んでないし、ルパンも引退するわけじゃないし、なにが「ラストジョブ」なのかと。
仮に今作でテレスぺ終了だったり、或いは現行キャストの最終作って意味だったとしても、
そういうストーリーと無関係のことを、タイトルには入れて欲しくないんだけどな。
──そんな感じでしょうか。
なんだか異様に長くなっちゃったけど、短くまとめる気力すら湧かないので、
まぁいっかv(なんちって)
とにかく、私にとっては「風魔」と言えば「風魔一族の陰謀」でしかないわけでして、
それが今後、一般視聴者にとっては
「風魔と言えば、今年のテレスペに出て来た忍者」という認識になるかと思うと、
なにやら無性に口惜しいです。
(掲載日:2010/2/20)